TOP た行 曇天に笑う〈外伝〉 〜宿命、双頭の風魔〜【劇場版】感想
2018年09月26日

曇天に笑う〈外伝〉 〜宿命、双頭の風魔〜【劇場版】感想

曇天に笑う〈外伝〉 〜宿命、双頭の風魔〜
2018年6月公開
 

「曇天に笑う<外伝>」を原作とした劇場版三部作の中編。

白子さんの過去の話で、風魔の里が舞台です。かつて風魔の里で何があったのか、壱助(いすけ=白子)と双子の弟・壱雨(いさめ)の悲しい過去の物語。

劇場版・前編もそうでしたが、さすが絵がとてもきれいです。また、忍者の里が舞台なのでアクションシーンも多く、かっこ良かったです。

ここからネタバレありの感想です。




風魔の里では双子は忌み子として嫌われ、どちらかを殺すという掟がありました。壱助(いすけ=白子)の両親は、壱助と壱雨という双子の兄弟を、洞窟に隠してこっそりと育てていました。ある日それを他の風魔に知られ殺されそうになり、2人の父は秘密を知った相手を殺してしまいます…。

同胞を犠牲にして生き延びた壱助は、その分も立派な風魔にならなければいけないと思い、成長しました。片方の壱雨は、その時の怪我がもとで片手がうまく動かず鍛錬もできないため、洞窟に隠れ暮らしながら壱助をサポートする生活を送っています。

自分の命は他人の命の犠牲の上にある、そう思って生きていくことはとても重い枷なのでは…と思います。風魔一族という特殊な集団の中で生きていて、一般常識ではくくれないものはありますが…。また、一生日陰で生きていくのかと憂う壱雨もまた辛い人生の中にいます。現状では壱雨が風魔になれる道はないので、荒事とはかかわらず平穏に生きてほしい…と壱雨に願う母の気持ちもわからなくはないのですが、この母親の愛情も壱雨だけに向けられていて、こちらもまた重い…。

そんな中、若い風魔に頻繁に課せられる「成人の儀」。「的」として選ばれたものを躊躇なく殺す。その課題をクリアすると、今度は7日間暗闇に閉じ込められ、出てきた時には「風魔」となります。本編で錦が話していた内容ですね。風魔となった証に髪が白くなるのですが…。

今の長が古い文献なら見つけて復活させた儀式ですが、大蛇のことと直接関係がない上に、身内同士でも容赦なく殺させる精神的な負担、的に選ばれることで同胞が亡くなってしまうことなど、長のやり方に不満を覚えるものも少なくありません。

壱助の的として選ばれたのは、父。壱助はそのことを悩み、遠まわしに壱雨に相談しますが…。外に出られない壱雨に話しても理想論しか返ってきません。たとえ相手がお前でも殺す、と言われてしまいます。風魔としては正しい答えなのですが…。

結局、面をつけて正体を隠した父を、そうとは知らず壱助が殺してしまうことになり、修行が終わり念願の風魔に壱助がなったあとも、家族の仲はさらに悪化してしまいます。もともと壱助に冷たかった母親がさらに冷たく…。壱助のほうが、母の気持ちを思いやって仕方がない、とあきらめてしまうところがとても悲しく思いました。もともと、どうして母が壱助に冷たいのか、理由がよくわからないのもあって。壱雨を可愛がるのはわかるんですが…もしかして壱助がいなければ、どうどうと壱雨だけ育てられたのに、とかそういうこと?これはまた、とても辛いですね…。

最後は、ふたたび壱雨の存在が知られたことをきっかけに、壱助が長を倒し、新しい長になります。世代交代をかけた一族同士の戦いも凄かったです。辛いことばかり続く内容で、こんな過去を経て、曇兄弟のところへ白子さんがやってきたのか…と思うと、そして兄弟たちとの暮らしで白子さんが何を思ったのか…と思うと、何ともいえない気持ちになります。

いつか白子さんと天火が再び会えるといいなと思います。

三部作後編は、天火が旅に出た後、空丸たちが何者かに襲われる…という展開のようですね。

2018年6月公開
原作:唐々煙
監督:若野哲也
シリーズ構成:梅原英司
キャラクターデザイン・総作画監督:田中紀衣
アニメーション制作:WIT STUDIO
キャスト:櫻井孝宏、遊佐浩二、津田健次郎、井上喜久子、能登麻美子、寺島拓篤、ほか





関連:曇天に笑う〈外伝〉 〜決別、犲の誓い〜【劇場版】感想


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posted by 白黒ウサギ at 18:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | た行
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