2018年3月3日公開です。
公開初日、早速観てきました!

公開第一週の来場者特典は、書き下ろし小説の「BEAST―白の芥川、黒の敦―」です。文庫サイズで200ページあるのでしっかり厚みがあります。カバーは掛かってなくて表紙の紙も少し薄い廉価版仕様ですが、正直、こんなにちゃんとした本だとは思っていなかったので、かなり感激しました。ありがとうございます…!
映画本編は見どころたくさんで、迫力あるアクションも、美しい作画も、ストーリーも音楽もとても素晴らしかったです…!
ここからネタバレありの感想です。
あらゆる組織を巻き込んで争われた、ヨコハマ裏社会の惨劇「龍頭抗争」。6年前のその事件のキーとなった異能力者「澁澤龍彦」が再びヨコハマに現れる。異能力者に自殺をさせ、異能を取り上げるコレクターである澁澤龍彦を排除せよという依頼が武装探偵社に…。
というところからストーリーが始まります。
とにかく見どころたくさんの映画でした。見逃せないシーンの連続で、最後まで飽きずに駆け抜けて観終わった…という感じです。今いちばん思うのは「もう一回観たい!」です。
オープニングのめまぐるしく動く映像がとても素晴らしくて、1期2期の名シーンがたくさん入っていて見ごたえがありました。文ストらしい光って流れていく文字との組み合わせが美しくておしゃれで、ここだけでも、もっとじっくり観たいと思いました。
6年前の事件の話から、織田作に力を人助けに使え、と言われたことを思いながら…織田作のお墓に寄りかかっている太宰さん。そこへ敦くんがきて話しかけて、「お墓参りしているように見えるかい?」と聞かれ「…見えますけど」と答えます。このシーンとても素敵です。
霧が発生してから、武装探偵社のメンバーがそれぞれ、自分の異能と戦うことになるのですが、ここも迫力があってとても良かったです…!それぞれ自分の異能の長所も短所も知ってはいますが、自分ですからね…。みんな苦戦します。ただ、自分にはできないことを知ってもいるので、それを逆手にとった作戦をたてたりするのもなるほどな、と思ってとても面白かった。よく考えられていて良かったです。
今回は、特務課からの依頼で武装探偵社は動きますが、ポートマフィアも動員されます。異能がかかってますからね…。総動員で全員それぞれ(大小はありますが)見せ場があって良かった…。福沢さんと森鴎外のシーンとか。
大きなところでは、敦くん・鏡花ちゃん・芥川の3人の共闘。最初にたまたま出会って、夜叉白雪から鏡花ちゃんを助けるために芥川が乱入してきたのが凄かった。異能なしの生身でもいける芥川。さすがポートマフィア。そこからお互いに助け合って、最後は共闘するところが素晴らしいです。
殺されたと見せかけた太宰さんと、これも特務課から送り込まれた中也も、これも…!中也の暴れっぷりも半端なくて大迫力で良かったのですが、お互いの信頼関係がとてもいいですよね。太宰はもう死んでいると匂わせる発言をされ、それでも行くという中也。太宰が死んでいるわけがないと信じて、汚辱を使うんですよ…。そして太宰は太宰で、中也が助けにきてくれると信じて待っている。いいですよね…。2人でくっついていてかわいいし…。
太宰さんとフョードルと澁澤龍彦が今回は敵側になるのかな…。この3人の組み合わせも良かったですね。ちょっと一般人とフィールドの違う3人が揃ったなというか。要するにちょっと難しい話をする人たちのわけなんですが。映画全体の展開が早かったので、太宰さんの裏切りが本当なのかどうかとか疑う余裕もなく(そもそも裏切るわけないですけどね…)ささっと進んでいったので、ここもうちょっと思わせぶりでも良かったかも。結局すべては太宰さんの読み通り進んでいたわけですが、フョードルはどこまで知っていたのか…はわからないですね。
中也のことも武装探偵社のメンバーはみんな自分のことは自分でできるというのは太宰さんの予想どおりだったとして、敦くんのことは太宰さんはどこまで知っていたのかなというのも、謎です。敦くんの過去のことも知ってたのかな…?
ずっと「太宰さんを助ければなんとかなる」「太宰さんが何とかしてくれる」と敦くんが言い続けて、その度に鏡花ちゃんが微妙な表情をしていたのが心に引っかかりました。異能力者が狙われているのだから敦くんだって渦中の人なのに、太宰さんが太宰さんが…と人任せにしようとするんですよね。無責任に言ってるわけではなくて、自分に自信がないからなのかなと思うのですが。鏡花ちゃんが後になって、夜叉白雪のことをどう思っているか、敦くんには知られたくなかった…と言っていたのを考えると、鏡花ちゃんの表情の理由もうなずけるし、切ないです。
最後は自分の過去の真実を知った敦くんが、自分の異能を受け入れ、それは異能ではなく自分自身の生きたいという力なのだ、と理解できたときは感動しました。ずっとずっと悩んできた敦くんの答えが、やっと出たのかなと。これから先も、これまでのトラウマから敦くんが完全に抜け出せることはないかもしれないし、また悩むこともあるのかもしれないけれど、それは生きているからだ、と思えるなら、以前よりもずっと幸せだと思います。
太宰さんに会って(裏切り者と聞かされていたのに)「この街を救おうとしたんですよね」と笑顔で問いかけ「そんな善人に見えるのかい?」と聞き返されて、また「…見えますけど」と素直に答える敦くん。とても素敵な締めくくりでした。
最後に乱歩さんについても。乱歩さんは異能力者ではないので、霧が発生すると消えてしまうのですが…、会議中に自分の活躍するところはないな、と名推理したのが印象的でした。いきなり金庫を出してきてお菓子を詰め込みはじめたので、何かわかったんだな、とは思ったのですが…。事件解決後に、荒れ果てた武装探偵社で金庫からお菓子を出して食べていたので、こういうことか!とw 異能力者を狙っているんだから、武装探偵社なんて一番に狙われると考えて、とりあえずお菓子を守ったわけですね。さすが名探偵です。
2018年3月3日公開
原作:朝霧カフカ、春河35
監督:五十嵐卓哉
脚本:榎戸洋司 脚本協力:朝霧カフカ
アニメーション制作:ボンズ
CV:上村祐翔、宮野真守、小野賢章、谷山紀章、諸星すみれ、中井和哉、石田彰、他
原作:朝霧カフカ、春河35
監督:五十嵐卓哉
脚本:榎戸洋司 脚本協力:朝霧カフカ
アニメーション制作:ボンズ
CV:上村祐翔、宮野真守、小野賢章、谷山紀章、諸星すみれ、中井和哉、石田彰、他