公開恋文の件以来、自動手記人形としてのヴァイオレットの人気が高まり、代筆依頼がたくさん来るように。人気の劇作家オスカーの代筆のために、自宅を訪ねるのですが、作家の生活は荒れていて…。
今回も印象に残る美しい絵と、悲しいけれど優しい世界の話でした。見ていて辛かったです…。
ここからネタバレありの感想です。
エリカたちが観に行ったオスカーの戯曲は、正義のために男が王を殺すのですが、王と同じ(殺人という)罪を背負ってしまったことに気がつき苦しむ…というラストでした。ヴァイオレットは観劇に行く代わりに本を読み、その最後のセリフに何か引っかかるものを感じたようですが…。
今回は、数年ぶりに脚本を書くオスカーの代筆のために、ヴァイオレットが出張していきます。オスカーの家は湖のそばにある静かな環境で、作家さんらしく風情のあるところに住んでいるのか…と思ったのですが。実際は家の中は散らかり放題で、酒瓶もたくさんあり…。そんな荒んだ生活をするくらいなので、何か事情があるようです。
ヴァイオレットの姿に娘を重ねて観るオスカー。酒を飲まないと書けないと言ったり、食事の支度を頼んだりと最初はやることがめちゃくちゃです。ヴァイオレットが「ドールはメイドではない」と言いながらも、部屋を片付け、おつかいに行き、初めての料理に挑戦したり、一生懸命になっているのが可愛いと思いました。第5話でヴァイオレットの年齢がわかって予想していたよりも若くてびっくりしたんですが、今回のように不慣れな料理でも生真面目に取り組んでいる様子をみると14歳なんだな、って思います。
お酒を飲もうとするオスカーに「困った人ですね」と言って根気よく説得していきます。「困った人」といういい方も、馬鹿にするわけでもなく(ダメな人と言ってるわけではないので)、オスカーにとって良くないことだからとストレートに言ってるのが伝わった感じですね。オスカーが娘と重ね合わせてヴァイオレットを見ていたから心に届いた部分もあるのかもしれません。でもそれとはまた別に、ヴァイオレットの年齢的なものもあるのかな、と。大人の女性だと、ちょっとオスカーの気持ちがわかる部分もあって、同情してしまうんじゃないのかな。ヴァイオレットはそういうのはなくて、本当に、まっすぐ。
ヴァイオレットがだんだん表情豊かに、感情を獲得していく様子が美しくもあり、そして悲しかった今回の話ですが…。オスカーの脚本をタイピングしながら、物語の少女にきちんと感情移入できていました。オスカーの話を聞いて涙を流すことも。本当に人形だった第1話から見ると成長著しいですね。良かった、とは思うのですが…。ただ感情を取り戻すことは、ヴァイオレットにとっていいことばかりではないですね…。クラウディアの予想どおり、自分のしてきたことの重さにヴァイオレットが気がつき、苦しみ、悩む日が来てしまいました。
オスカーはヴァイオレットに出会って、彼女と過ごすうちに娘の死を受け入れ、乗り越えようと踏み出すことができました。悲しみは癒えないかと思いますが、それでも自分自身を呪った生活をしていたオスカーが、自分の書いた芝居で人を幸せにしようと思うようになったのは、とても感動的でした。ヴァイオレットが湖の上を歩こうとジャンプするシーンの美しさと、オスカーの心の動きが連動していてとても良かったです。苦しみの中にいた心が、飛び立って、また光を目指すことができたように見えました。
対するヴァイオレットは、オスカーの気持ちを知ったからこそ立ち直らせることもできたのですが、そのために今度は、自分が他人の未来を奪ったのだと思い悩みます。そして少佐の死を思いがけないところで知らされ、受け入れることができません。純粋なヴァイオレットと罪深いヴァイオレットの対比、現実を受け入れて生きていこうとするオスカーと、受け入れられないヴァイオレットの対比。
…とても辛いですね。サブタイトルの空白が、まさにヴァイオレットの気持ちですね…。言葉にならない。
ただ、どうなんでしょう、ギルベルトの死体は見つからず、状況的に生存は難しいだろう…ということなのですね。もしかしたら…という希望もゼロではなさそうだし…。とても良い話でしたが、最後、ちょっと気が重いです。
ヴァイオレットちゃん、感情、情緒が豊かになり、愛らしくなりましたが
この日が来てしまいましたね。
命を獲ったことの意味と、大切な人に(おそらく)出会えないこと。
命をとったことは、今回のオスカーさんのように、助けるというか…
プラス方向の影響を多くの方に与えていることで償える(?)と思いますが
彼女がそれを受け入れるかどうかは別問題ですね…
「私的」ですが、軍務でやってる分はしょうがないと思います。
相手との逆の状況になってもしょうがないですし。
とはいっても…
少佐の件、死体が見つからないのが特に辛いですね。状況から考えると死亡としか判断できないのですが可能性は残っており…
ヴァイオレットちゃん、悲しみが大きいでしょうが…走り出すことができるので「終わって」はいないと思います。辛いでしょうが…
心配してくれる方も大勢いますし
1話だったら、停止してしまうような取り返しのつかない事態になってたと思います。
…ご都合かもしれませんが、少佐にこの世で再開してほしいです。
中盤まで愛らしく、温かく、美しい描写が続いたので…ちょっとまだ感情が整理できていないですね。
読みにくかったらすみません。
こんばんは。コメントありがとうございます。
私も同じ感じで、急にいろいろわかって、整理できていません。
ヴァイオレットもいろんな感情を整理できていなくて、
それと見ている方もシンクロするような作りで、
凄い作品だなぁと思いました。
色々考えさせられますね。
どうしようもないことはたくさんありますが、
できるだけ幸せに近づいてほしいと思います。
私もご都合主義でもいいから、少佐には戻ってきてほしいです。