TOP さ行 セイクリッドセブン【全12話】感想
2018年02月15日

セイクリッドセブン【全12話】感想

セイクリッドセブン 2011年7月 - 9月放送 
地球へ降り注いだ隕石の影響で、不思議なイシの力を手に入れた少年アルマと、その力を制御する少女ルリが出会い、悪と戦う物語。

ボーイ・ミーツ・ガール、正統派の変身ヒーロー物です。素直でわかりやすいストーリーを丁寧に作り込んである良作です。ありがちな展開なのに飽きることがなく視聴後の感想はとても爽やか。諸事情あって2クールの予定が削られて12話になってしまったそうで、もっと観たかったなと思うと残念です。何年も経ていますが今からでも2期があればな、と思います。それぐらいとても好きな作品です。安心して観られる王道ストーリー、これは好きな人は好きだと思うんですよね。良さをわかってくれる人がいると嬉しい。

とにかく主人公アルマとルリの2人の関係性がよく、とても可愛い。安心できるストーリーに、敵も味方も応援したくなるキャラが揃い、アクションはツボを抑えていて全体的に爽快感があります。変身ヒーローなのである意味ダサかっこいいのですが、それもまたいいと思います。

初期OP曲『stone cold』もおすすめ。梶浦由記さんの中毒性のある名曲です。初期OPの映像もとても素敵で、合わせて見てもらえるといいなと思います。グッとくる歌詞なので、全話見終わった後に、思いを噛みしめながら『stone cold』を聞くとハマります。

ここからネタバレありの感想です。




自分の意思とは関係なく、力があるが故にそれに振り回されて生きてきたアルマ。自分の力なのに自分の思いどおりにはできず、力を使う度にアルマは大事な人を失くしてきました。両親も亡くし孤独で貧しい生活の中で、過去に起こした事件のため悪い噂が絶えず、学校でも居場所がありません。本人も自分自身に対して否定的で、誰にも心を開かず周りと距離を置いています。

そんなアルマをある日訪ねてくるのが、大金持ちの財閥の超お嬢様、藍羽ルリです。ルリはアルマの力を制御できる力に変えることができます。アルマのように制御できない力を「悪石(アシ)」、ルリのようなコントロール能力を「善石(ヨシ)」と呼びます。ルリが一緒にいればアルマは悪石ではなく善石になれる。ずっと孤独でトラブルばかり起こしていた自分の力が、ルリが一緒にいれば人を助ける力に変えられることがわかり、そうした経験を通してアルマは成長し、だんだんと変わっていきます。

アルマとルリの恋愛の話も軸の一つなのですが、これがもどかしい距離感でとても良かったです。ルリとアルマ、それぞれが出会ってからお互いを好きになるまでの2人の気持ちがよくわかります。2人の気持ちのスタートラインは違うのですが、それが埋まっていく過程が丁寧で良かったです。この心の繋がりがストーリー展開にも大きな影響を与えるのですが…。

孤独だったアルマが、ひとつひとつのエピソードを重ねて成長していく様子が、本当に感動的で良いんです。無理に泣かせる話があるわけでもなく、強引に心を揺さぶるような衝撃的な内容もなく、テンプレともいえる王道展開なのですが、それが逆に良かったと思います。エグさがないので安心してみることができて、ストーリーの中の見るべきところに集中することができます。アルマの心の揺れが自然に描かれていて、素直に受け取って見ることができます。感情移入が楽なので、アルマの葛藤から、敵を倒したとき、何か悩みが突き抜けたときの昇華がとても良かった。ここまで視聴後の爽快さがある作品もそうそう無いかな…と思います。

アクションは全体でみると少なめかなと思いますが、観る側の満足度は高いと思います。派手なバトルばかりではないところが、またとても良いんです。空を滑るシーンや走っていくシーン、敵を振り回したりと動きが印象的できれいでした。見ていてスッキリする動かし方で、これがアルマの心理描写や絶叫と相まって、視聴後の爽快感につながるのだな…と思います。「空を自由に飛べる力」「2つを同時に破壊する力」など力を発動させるのにわかりやすい言葉でアルマが言うのが良かったです。設定上はそれぞれ能力に名前はあるんですが、ストーリー上は特に言及はなくちゃんと内容を説明してくれる。これもいいんですよね…。アルマの言い方とても良くて、これはキャストの方の功績が大きいですね。

ルリの他にも、アルマが孤独を打ち破ったもう一つのきっかけである鉱石(いし)部の存在もあり、駆け足気味ではあるのですが、アルマが成長していく様子が無理なく描かれているところも良かったです。悪と戦う孤独なヒーローのストーリーに絡めて部活や文化祭など日常生活を描く部分も多く、しっかり学園モノでもあります。重い過去をもった登場人物が多いのですが、そうした日常パートが明るく描かれているので、作品全体は軽快で明るくなり、良かったと思います。

魅力的な登場人物ばかりなのも良いです。お嬢様に忠実な頭脳明晰な執事がいて、謎の鬼瓦がマスコットで、メイド隊もいて…と味方側は華やかで、敵側はアルマを更に激しくしたような孤独なヒーローと彼を支える小さな子がいて、彼らは影のような存在なので、敵味方の対比も鮮やかです。でもただの敵ではなく…と、この辺もわかりやすいのですが、それがまたいいんです。

本当に美味しいものを詰め合わせました、というくらい色々な要素が欲張り気味に入っていますが、破綻なく全部楽しめる作品でした。作画もほぼ崩れることなく最後まできれいで良かったです。こういう良作をもっと観たいんですが…。

冒頭でOP曲「stone cold」の良さを書きましたが、ED曲「輝跡 -kiseki-」もとてもいい曲でした。前半・後半でOP・EDの曲が入れ替わり(それぞれ2番になる)という珍しい構成なのですが、不思議なことに違和感がなく、どちらも良かったです。2番の歌詞が物語進行にしっくりきていた、いうのも理由です。細かいところまで丁寧な作品だなと思います。良いですよ!

2011年7月 - 9月放送
原作:矢立肇
監督:大橋誉志光
シリーズ構成:吉田伸
キャラクターデザイン:いのまたむつみ、形部一平(原案)、千羽由利子、中田栄治
音楽:佐橋俊彦
アニメーション制作:サンライズ
CV:寺島拓篤、中島愛、入野自由、岡本信彦、小西克幸、大川透、他




posted by 白黒ウサギ at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | さ行
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