絵の美しさが印象に残った作品でした。「クジラの子らは砂上に歌う」とうとう最終回でした。シルシたちがなぜ短命なのか、感情を食べることができないファレナのヌースがエネルギー源としていたのが一体何なのか、チャクロたちは秘密に触れることになりました。そしてスオウはある決断を下すのですが…。
ここからネタバレありの感想です。
謀反を起こそうとした双子もオウニにその場を収められて、スッキリしない様子ですが、反乱を起こすには至りませんでした。
戦いが始まった頃から体調が悪そうだったマソオは、寿命がきてとうとう亡くなってしまいます。みんなで祈りを捧げているときに、外からのお客さんのロリハトも周りの様子を見て一緒に祈ってくれたのが、優しい人なんだなとわかって良かったです。最初に会ったときに、異文化を否定しないというようなことを言っていたのは本当でしたね。…そして、慣例どおり泣くのを堪えていたみんなに、クチバが今日はいいから泣け!って言うところ、とても悲しかったですね。泥クジラの人は基本みんな優しいんですよね…。だからこそ今の運命はとても悲しいなと思います。
帝国ではオルカが上手いこと上を丸め込んで、また艦を手に入れてファレナを襲おうと計画を立てます。ただ最終目的はファレナではなく、もっと大きなことのようです…。帝国に反逆するからには、もっと何か目指すものがありそうでしたが、理由は語られませんでしたね。「アンスロポス」を奪うっていってましたが…チャクロがもらってきたコカロは「アンスロポスの骨」って言ってましたよね。骨っていうけどコカロは動物の姿しているし…。これもまたよくわからない。
帝国ではサルクスというヌースの肉を食べれば感情が戻るらしいということ、そのサルクスは皇帝から与えられるもので三親等内でしか譲渡できないことなど、新しいこともわかりましたが。それでオルカもアラフニも感情豊かだったわけですね。身分や功績によっては感情を持っていていいということかな…?感情全否定の国ではなくて、もっと上層部に都合のいい形で何かやってるわけですね。その辺とオルカの反逆がつながってくるんでしょうねえ…。多分だけど。
リョダリはすっかり道化になっていましたが、もともと言動がおかしいので戦士でいるよりも違和感がないような…。
泥クジラでは長老会とスオウが話し合い、シルシの命がヌースに奪われていることを公表することになります。双子たちはやっぱりシルシは無印の犠牲になっているんだと騒ぎ出しますが、またオウニが止めます。泥クジラは閉じ込められていたファレナの檻を超え、新しい土地を目指すことになります。新しい場所ではオウニがリーダーになるといい、とスオウが言って、最後はオウニが笑いましたね…!始めて笑ったかも。
泥クジラの旅は続きますが、何もかも新しくやり直すための旅ですね。
ここで終わり。まだ続きがあるようなので、またアニメ化されることがあれば続きもみたいなと思います。
作画も背景もが安定してずっときれいで見やすかったのは良かったと思います。世界観も印象がよかったですが、謎が多くてわかりにくいところもあり終盤は何とも言えなくなりました。予想よりも悲しい物語で辛かったので、最後は希望のある終わり方できれいにまとまったな、と思います。チャクロがずっとサミを思っているところもいいと思いました。
おつかれさまでした。