都民大会決勝も後半戦。あと三種目で優勝が決まります。オーソドックスな中にも表現の豊かさが光る釘宮組か、革新的なダンスで惹きつける多々良たちか、優勝の行方は…。そして、多々良と千夏のペア解消の危機は?
長い試合もやっと終わり。ボールルームへようこそも今回で最終回でした。作者の方は本当にダンスが好きなんだな〜という熱量が伝わってくる作品でした。
ここからネタバレありの感想です。
多々良たちが練習してこなかった、と前の話でも言われていたベニーズワルツですが、実は多々良たちは得意なダンス。男女が繰り返し入れ替わって踊るため、どちらもリーダー気質の多々良と千夏には向いている…ということのようです。心配そうに言われていた種目ですが、実は逆だったというオチでした。
続く種目でも釘宮組のダンスが際立って美しく、優勝も釘宮組で傾きかけていた気もするのですが…。
釘宮組も、多々良組のダンスも最終回は気合が入っていてよく動いて、とても美しかったですね。足を打ち付けて踊る様子や、足音、衣擦れの音も凝ってたな、と思いました。1クール目とか、静止画とズバーって効果音でよくわからない…という描写が多くてわかりにくかったので、今回は美しいダンスの動きで感動しました。
多々良と千夏もお互いに踊っていてとても楽しかったんでしょうね。ダンスに出会ってくれてありがとう、とお互いに感謝の気持ちを抱いて踊ります。予選のときは多々良という人間がわからないとか、臆病者とか色々揉めてましたよね。これまでずっと揉めてきた経緯を考えると、本当にこの試合で2人が得たものは大きかったんだな…と思います。だから最後に多々良たちが優勝できて良かったな…と思います。…でも多分、ここまで2人の気持ちに変化があって、ここまで力を出し切れたなら、たとえ優勝できなくてもペアを解消する必要はなかっただろうな、と思いますけど。まあ、優勝できて良かったです。
釘宮さんたちも清々しい感じで、最後に小さい子たちに教える姿も見られて良かったな。賀寿と真子ちゃんも、清春と雫も、仙石さんも、みんなこれからもダンスを続けていって、みんなと繋がっているんだな…といういい終わり方でした。
最初は「姿勢ひとつで人の見る目が変わる」という仙石さんの言葉に象徴されるように、引っ込み思案だった多々良の成長物語なのかと思っていたのですが、思ったよりもガチでダンスがテーマでした。ダンスに関してはわからないところも多くて、もどかしいなと感じる部分があったのはちょっと残念。でも爽やかでいい作品でした。千夏が登場してからぐんと面白くなったのが良かったです。
おつかれさまでした。