今回はとあるキャラバンの話。国から国を移動して品物を売りながら自由に生きている人々と、商品代金の代わりに売られてきた奴隷の少女の話です。いつものように「この国では〜」というものはなく、商人たちと少女の心のありかたの話…かな?
ここからネタバレありの感想です。
商人たちの少女への扱いが酷くてゲンナリします。鎖をつけて繋いだり、休まず働くように命じて厳しくあたります。少女は「召使として働かせて」と言われてきたけれど、奴隷にしてくれとは言われてないんだけど…。
少女のいた国は「どんなときでも人を信じる」という宗教を信仰している国で、そのために今のひどい境遇の中でも少女は不平不満を言いません。人を憎んではいけない、もし自分が殺されることがあっても殺した相手に笑顔を見せて死んでいく、そうすればいつかわかる時がくる…と、少女の信仰心も少し狂気がかっていて怖いところがあります。売られてきたことも、きっと将来を試されていると思う、と答えます。
少女のそんな姿を見て、キャラバンの護衛の男は「運がない」といいます。男のおじいさんの教えで、人は運があるかないかというのが大事みたいですね。キャラバンの人たちは運があるから自由に生きられる。対して少女は運が無いから奴隷になってしまった。そしておじいさんのもう一つの教えは「食べ物の好き嫌いはNG」なんですが…。これもまた嫌味な話なんですよね。
野草に毒があると少女が思い出すのが遅く、止めるのをためらっているうちにみんな食べてしまいます。諦めて自分も死のうとひと思いに食べようとしたときに、食べ方の行儀が悪いという理由で坊っちゃんに石をぶつけられて一口も食べることができませんでした。
茶碗が石で弾き飛ばされて、誰か助けに?と思ったら坊っちゃんの嫌がらせだったというオチ。なかなか救いがない話なので見ていて気が重かったです。おまけに人を殺す練習のために奴隷を自分に安く譲れと父親に交渉する坊っちゃん、それを素晴らしいと褒めて快諾する父親。まあいろいろ怖い世界です…。
絶望した娘の絶叫とともに、人々が悶絶して次々と死んでしまいます。一瞬、少女の悲鳴で脳が破壊されて死んだのかと思いました。違いますねw 毒で死んでます。一人生き残った護衛の男にライフルの使い方を教わり、男も死んで、みんないなくなってしまいました。
喋るモトラドに励まされて、少女は生き続けることになります。こんなことになって責任を感じた娘がどうすれば死ねるのかモトラドに聞くと「生き続ければ人はやがて死ぬ。死にたかったら生きろ」という返事。それなら生きるしかないか…と、2人は一緒に旅をすることになります。
運のある無しで自分と少女の優劣を語っていた商人たちと、最後は少女は運があったから生き残り、完全に逆転。面白い展開ですが、全員死んでしまったので後味が少し悪いかな。少女も実は一瞬、みんな死ねばいいと思ったという本音を言ってて、それは人間らしくていいなとは思ったんだけど。モトラドの話は面白かったので、ドロドロ感のある割にはさっぱりしてていて、いろいろ考えさせられるいい話だったなーと思います。
後日談は、とある国で少女はすべて告白して受け入れてもらい、写真館を開いて繁盛していて、みんな彼女を「フォト」と呼ぶようになり、今は幸せに暮らしている…ということでした。フォトの旅の話は無いのかな…。フォトと写真のことも何かきっかけがあったり、ストーリーがありそう。まとめ方はとてもきれいなので、あとは原作読んでね!ってことかな。よい誘導の仕方かもしれないw
「金が有れば誰かを助けられるかもしれねーだろ 持って行けよ」
と説得されました
ちなみにソウは「誰か」をフォトのつもりで言ってますw
>一人生き残った護衛の男にライフルの使い方を教わり、男も死んで、みんないなくなってしまいました。
あの男、何気にフォト自身が語っていた「笑いながら死ねば殺した側もいつかわかってくれる」を身をもって実践する事でフォトの自殺を止めようとしてるんですよね
もちろん自分がどちらにしろ助からに事を悟てて一思いに死にたかったってのもあるでしょうが
フォトはソウの説得で「わかるまで生きなきゃいけないのか…」とか言ってるので男とソウとで死を望んでいたフォトの精神を前に向かせたって事ですね
>フォトの旅の話は無いのかな…。
旅はあまりしませんが、写真の依頼で国内のあっちこっちに行きます
フォトはキノ、ジス、キノの師匠、に続く第4の主人公なのです
ちなみに原作でもフォトはキノとは面識がありませんが、シズとは二度ほど顔を合わせています
ご指摘の通り、召使い、お手伝いさんと「奴隷」は違いますね。
今回、確かに胸がいた、失礼あえて下品な言葉を使うことを選びます
ムナクソ悪く感じました。
運の問題か、知識の問題なのか分かりませんが
正しい意味での「情けは人のためならず」だと私は思っています。
優しく丁寧に扱えば、フォトが心身ともに健康であり
毒の事を教えてくれたと思っています。
こんばんは〜 コメントありがとうございます。
フォトがオープニングに出てくる子と同一人物だと、
モトラドが出て来るまでわかりませんでした。
なるほど、以前にkさんがいってた一番の善人がこの子ですね?
旅はしないんですね。
どうやって写真に興味もったのかな〜とか、
知りたいなと思ったんですが。
☆狐公方さん
こんばんは〜 いつもコメントありがとうございます。
>優しく丁寧に扱えば、フォトが心身ともに健康であり
そうそう、私もそう思います。
疲労や栄養不足が重なっていて、頭がちゃんと働いてなかったのかなと。
働くこと自体が嫌なわけじゃないんだし、
普通の仕事として家事をやらせるだけでいいのに…と思います。
「情けは人のためならず」いい言葉ですよね!
はい、この作品随一の癒しキャラですw
その愛らしい容姿と真面目で健気で善良な性格から登場が遅かったにもかかわらず人気が高いです
相棒のモトラドのソウが現実主義で皮肉屋なのもバランスが取れててコンビ人気も高いです
フォトが主役の話は人情系になる事が多いですね
もちろんこの作品の事なので一筋縄じゃ行かない話が多いんですが、フォトの人柄もあって割と後味のいい話の方が多いです
>どうやって写真に興味もったのかな〜とか、
知りたいなと思ったんですが。
詳しくは原作の]X(15)にて描かれてます
端折って説明しますと
まずフォトは移民するまでカメラや写真の存在すら知りませんでした
フォトがいた国にカメラが無かったのか(国によって文化や科学技術に差がありすぎな世界だし)
あるいはフォトが身分の低い孤児だから知らなかったのか(ちなみにソウ曰くフォトがいた宗教国家は国民である信者に夢みたいなきれいごとを信じさせて教祖と一部の人間だけが甘い汁を吸う独裁国家)
放浪の旅の中で、フォトは今まで見た事がない景色を何度も目撃して感動し、この景色を絵にできたらよかったのに、と自分に絵が描けない事を残念がりました
作中でソウが説明してますが、フォトは移民先でその国の偉い人に全てを正直に打ち明けてます 毒草の事を教えようとしたけど咄嗟に声が出なかった事まで一切合切
その国は全滅した商人たちと取り引きをしてた国だったのでフォトの運んできた荷物から、それが商人たちの物だと気づいていたのでフォトの言葉を信じてもらえました
もしフォトが最初から荷物は自分の物だと嘘をついてたら盗賊として逮捕されてました
商人たちの荷物の所有権がフォトにあると認めて、改めて買い取ってくれました
で、奴隷、放浪生活、から一転、お金持ちになって家も買えました
それでもフォト1人が慎ましく生きてくなら30年は暮らせるたくわえが残ってますが、
真面目なフォトはお金に困ってなくても「仕事がしたい!」と言い出し、お金も寄付しよとしました(後者はソウが止めましたが)
そしてソウは商人たちの荷物の中で唯一売りに出さなかったカメラとその関係の機材を出してフォトに写真の事を教えたんですよ
これは親切半分、フォトが色んな場所で写真を撮るために自分を走らせるだろうという目論見半分でした モトラドは走る事が生き甲斐なのです
その後、さらに色々あってカメラマンになりました
あの国ではカメラはかなりの高級品なので写真を撮ってほしいって依頼が多いんですよ
ちなみに値段はソウが決めてます
フォトに任せると慈善事業になってしまうのでw
と、端折ったつもりでも長くなってしまって、すいません
こんばんは。なるほどー、ありがとうございます。
キノとは関係なく、フォトはフォトでいろいろ話があるんですね。
モトラドのソウは何でも知ってますね。
エルメスも物知りだけど。面白いですね。
人を撮るのをフォトが仕事にできたのは良かったですね。
人嫌いならそんな仕事はできないから
フォトがちゃんと幸せになって良かったですね。
バイクのソウ君ですけど、物知りで人間(?)できていますね。
自分も走れないのはとても苦しいので、フォトに状況を打破してもらう必要はあるのですが
win-winの関係に持ち込んでいる。
時々は、移動に彼を使ってもらっているようですし
双方とも幸せそうで和みました。
こんばんは〜
ソウ君?男の子なんですね。
エルメスとくらべて小さくてレトロな感じが可愛いですよね。
やっぱり、出会いって大事なんだなーと思います。