「旅人の話」「嘘つき達の国」とAパート・Bパートと別な話でした。予告では「嘘つき達の国」となっていて、別な話で始まるとは思ってなかったから、Aパートの話のどこが嘘なのかな?と思って見てしまいました。違うじゃないの…w
ここからネタバレありの感想です。
☆旅人の話
初代大統領となった英雄の記念館を訪れたキノとエルメス。普通の民家に、旅人なら普通に持ちあるく品にエピソードを膨らませて展示してあるのですが…。記念館とは言っても元々普通の家なのに、エルメスまで一緒に入れてくれたのは凄いです…。でもこれまでの国でも宿の部屋に一緒に入れたりしてたし、普通のことなのかもしれないですね。モトラドは貴重だという話も出たので、その辺に置いておくわけにはいかなさそうですもんね。
展示してあったモトラドは実は話すことができて、キノと旅をしているエルメスを羨ましがってました。エルメスも気楽な感じで「いいでしょう」と答えているのが何とも…(同情するような言い方になるのも微妙だし、こういう時の返事の仕方は難しいですよねー…)。自分を連れ出してくれるか、それとも壊してくれないかとキノに頼んでも、どちらもできないとキノは答えます。
その後、宿の少年に旅人になるにはどうすればいいか聞かれて、記念館のモトラドに聞いてみるといい、と答えます。実際に少年が旅に出られるようになるまではまだ数年かかるでしょうが、少し希望が見える終わり方で良かったです。キノはお人好しのキャラでもないので、自分にできないことまで引き受けようとはしませんが、冷たい人間でもないんですよね…。ちょっと変わってるなあ、と思います。この独特のバランス感覚がキノの魅力ですね。
☆嘘つき達の国
次の国では門から入った途端、「自分の恋人を知らないか」と男に駆け寄られます。ずっと前に旅に出ていった恋人が戻ってくるのをずっと待っているんだとか…。家政婦という女性に寄り添われて去っていくのですが、なんだかおかしな感じです。
男の正体は、実は革命を起こした英雄でした。でも、恋人だと思っていた女性は実は革命派の敵である王女で、その王女が乗った車を男が爆破して死なせてしまった。つまり、自分の恋人を自分で殺してしまったわけです。混乱した男は自分の恋人を探し続けるのですが、見かねた医者が彼女は旅に出た、と納得させて今に至ります。そして、元々旅人だった女性を村の人々が家政婦として紹介して(事情を知らないよその人なら上手くやっていけるだろうと)面倒を見させている…ということでした。村の人みんなで男に嘘をついているわけです。
でもまだ続きがあって、実はこの家政婦が元王女だったというオチ。キノにだけ打ち明けてくれます。彼のことを忘れられなかったので、色々根回しして旅人のふりをしてこの国に戻り、家政婦として雇われるように裏で手を回してもらって…と。彼のそばにいられて幸せだ、と。王女も嘘をついてるわけですね。
それじゃあ男は幸せじゃないのかと言うと違っていて。これもまたキノにだけ話してくれますが、彼女が恋人だというのは実はちゃんとわかっているんですね。だから彼女と一緒にいられて幸せだ…と。男は男で、恋人を待ち続けているという嘘をみんなについてる。
みんな嘘なんだけど、でも、幸せな嘘なのかも。こうでもしないと本来殺されたはずの王女が戻ってくることはできないし、その元王女と男が幸せに暮らすなんていうことも無理なので、みんなで嘘をつかないと彼らの幸せは成り立たないんですよね…。悲しいけどきれいな話でした。
嘘つきの件で、最初は時間が解決してくれるのかな?と思っていましたけど
案外、全員、皆分かっていて
とっくに解決しているんじゃないかなと思いました。
こんばんは〜
そうそう、実は全員、真相を知ってるのかもしれないと思いました。
面白い話ですよね。