TOP Fate Fate/stay night [Unlimited Blade Works]【全26話】感想
2017年09月24日

Fate/stay night [Unlimited Blade Works]【全26話】感想

Fate/stay night [Unlimited Blade Works](全26話) 
☆1stシーズン:2014年10月 - 12月
☆2ndシーズン:2015年4月 - 6月

「fate/stay night」とタイトルは同じ、登場人物も設定も同じですが、こちらは遠坂凛をヒロインにした別ルートの物語となっています。サブタイトルの「Unlimited Blade Works」って何だ…?と思いますが、意味は最後まで観るとわかるようになっています。本作(略してUBW)では、stay nightとは別ルートを辿るとともに、謎のままになっていた部分が解明されるなど、さらに物語が進んでいきます。

とにかく映像のクオリティが高く、バトルアクションも凝った見せ方をしてくれます。見た目もストーリー展開も満足度の高い作品で、オススメです。ただしところどころ残酷な描写もあり、また全てハッピーに丸く収まるということもありませんので、そういうのが苦手な方は要注意です。

ここからネタバレありの感想です。





序盤はstay nightと展開が重なる部分もありますが、アーチャーの召喚時や学校での事件など、凛視点で描かれるところは同じエピソードでも新鮮でした。ただほんのちょっと何かが違う。こういうところが上手いなと思いました。前に観たな、こうだったよな、と思うんですが、少し違和感があるので別ルートなんだなとわかります。そして、何となく似た話だったのが、いつの間にかはっきりと分岐していて、気がついたらstay nightとはまるで別な話になっていました。これはちょっとビックリでした。

凛と士郎が共闘するという基本路線は変わりません。第1期は、凛と士郎が距離を縮めながら共に戦い、相手は慎二とライダー、背後ではキャスターが全体を翻弄する内容でした。その中で、アーチャーと士郎の関係も伏線が敷かれ、士郎の生き方、考え方も丁寧描かれていて、士郎という人間が理解できるようになります。第1期はセイバーがキャスターに奪われてしまうという衝撃のラストで、第2期は開始早々、アーチャーが裏切るという波乱のスタートとなり、敵もキャスターからギルガメッシュへと変わり、次々とサーヴァントたちが倒れていきます。1期で人間関係が丁寧に描かれていたことはとても良かったと思います。2期はバトルの連続なのですが、その中でも、それぞれの行動の根底にある感情が理解できるので…。終盤に向かうにつれてとてもつらく、泣けるところが多かったと思います。

前半で好きだったところは、士郎が怪我をしていて力が入らずお皿を割ったりしていたところ。不調でもいつもどおりにしようと無理をしていたり、困惑した表情が何とも好きでした。士郎の真面目な性格がよく伝わってきました。その後、魔術回路云々でアーチャーが士郎のケアをしてあげるのですが、ひたすらアーチャーから士郎へのお説教。これも後で振り返ってみるとアーチャーの気持ちが辛く、前半のいいエピソードだったと思います。その他、セイバー、士郎の3人で出かけたときに、セイバーがひたすら食べ続けていたところも好き。一人だけ常に何か食べていて、お弁当も(凛と士郎が真面目に話しているのに)一人黙々と食べ続けてるのも可愛かったです。多分、キャラデザインのせいもあるかと思いますが、stay nightのセイバーよりもUBWのセイバーの方が可愛らしくていいなーと私は思いました。前半、見せ場が無いのは変わりないのですが…。

後半はいい意味でも悪い意味でも予想を裏切る展開が続きます。毎話、引きが上手くて続きが気になってどうしようもなくなる構成で、だんだん辛い話になっていくので、余計に先が気になるという…。こんな辛い思いをするなら続きを観るのは無理だと思いつつ、観ないと解決しないので結局観てしまう。一気に視聴するのをおすすめします。

後半はアーチャーが裏切ってしまうため、士郎も凛もサーヴァントがいない状態で戦いを続けなければいけなくなります。まず目的はセイバーを取り戻すことなのですが、協力を仰ごうと思っていたイリヤとヘラクレスがギルガメッシュの手により惨殺されてしまいます。stay nightのときはヘラクレスとイリヤが敵側で、ヘラクレス VS アーチャーが見せ場の一つでもあったのですが…。イリヤとヘラクレスの絆や、切嗣への憎しみ、聖杯戦争への疑問も描かれていていい内容でした。stay nightではイリヤ視点は無かったので。ちょっと謎に思ったのはイリヤは士郎のことを「お兄ちゃん」と呼んでいたので兄にあたるのだと思っていましたが、弟なんですね。ホムンクルスだから見た目が変わらないだけで、イリヤは子どもではないということでしょうか。人とのハーフのせいか、そういえば長生きです。と、話が少しそれましたが、イリヤ視点での回想を織り交ぜた上でのギルガメッシュの仕業がひどく、士郎も為す術なく、観ている側はここで一旦心が折れます…。

この後は、サーヴァントがない士郎たちをランサーが手助けしてくれることになるのですが、ランサーがものすごくかっこいい。最後の最後まで紳士でした。第1話の登場では敵対側(基本、自分以外は皆敵なので)で、一度は士郎を殺した相手でもあるのに、世の中わからないものですね…。UBWの中では間違いなく、一番かっこいいサーヴァントだったのでは無いかと思います。マスターからの扱いも酷く、ランサーの最後はイリヤに続いて心が折れます…。

終盤のアーチャーと士郎の戦いがストーリーのコアでもあるのですが、アーチャーと士郎のどっちもかっこいいのが良かったです。聖杯に直接絡む内容ではなく、自分の心の問題としてこの2人は戦うので、メインのストーリーから外れているといえば外れていますが、士郎の物語なので実はこちらの方がメインだったかなと。UBWはとにかく士郎がかっこいいのが良かった。ここでサブタイトル「Unlimited Blade Works」の意味もわかります。アーチャーの正体がわかってからは、とにかくアーチャーがかわいそうで…。これもまた辛い話だなと思いました。理想の行き着いた果てには何もなく、人助けどころかただ利用され続けてきたんですよね…。切嗣に憧れて正義の味方になった。けれど、切嗣の正義もある意味歪んでますからね…。自分自身の苦しみを終わらせるために、士郎を殺そうと願ってきたエミヤ(アーチャー)ですが、こうやって2人が戦うことで、士郎はエミヤに近づいていくようにも思いました。どうあっても、人は自分自身の底にあるものをそう簡単に変えたりはできないのではないかと思います。stay nightではヘタレ主人公な部分もありましたが、ここでやっと士郎の本質に触れることができました。そこで思い返してみると、士郎は士郎だからな…という感想になります。

そして、ギルガメッシュと士郎の戦いも鳥肌がたつくらい、アクションがとにかく良かったです。固有結界かっこいいですね…。言いたいことはたくさんあるのに上手く書けないのですが、最後に士郎が飛び上がって空中から斬りかかるところ、あの顔がこの作品中で一番好きです。あの表情、あの一撃に全てが込められていました。

凛が諦めそうになったときにアーチャーが助けてくれたところもやっぱり鳥肌が立ち、さらに士郎がギルガメッシュに引きずり込まれそうになったときに助けてくれたときは観ていて半泣きになり、最後に、エミヤが前髪をおろした姿で、凛にはっきりニッコリと笑って「これからがんばるよ」って言ったのは泣けました。聖杯のところはセイバーの見せ場でもあったのに、エミヤがさらっていきましたね。

エピローグ、時計塔でロード・エルメロイII世が出てくるんじゃないかと気になっていて、出てきてくれてよかったです。
士郎は自分の行く道の先にあるものがわかっていても、やっぱり同じ道を行くんですね…。

Stay nightを観て、Zeroを観て、UBWと道のりは長かったですが、どれも観て良かったです。
次はGrand Order - first order - です!

2014年10月 - 12月/2015年4月 - 6月
原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
監督:三浦貴博/シリーズ構成:ufotable
キャラクターデザイン:須藤友徳、田畑壽之、碇谷敦
CV:杉山紀彰、川澄綾子、植田佳奈、下屋則子、諏訪部順一、関智一、他




posted by 白黒ウサギ at 17:01 | Comment(8) | TrackBack(0) | Fate
この記事へのコメント
実は凛視点の話は原作のプロローグに当たる部分です
アーチャーの正体については、凛の宝石が士郎が拾った物とアーチャーが凛に渡した物で二つになってると言う形で、序盤から伏線が張られてたんですね

アーチャーの記憶の混乱は半分は本当です
元々、生前から過酷な戦いを繰り返し守護者になってからも延々と戦ってたせいで記憶が摩耗してました
召喚された直後にハッキリ覚えていたのは自分の目的と大災害の記憶と自分を助けた切嗣の笑顔とセイバーを召喚した直後の事だけです
それなのに、あんなふてぶてしい態度だったわけですw

だから最初は自分を召喚したのが「遠坂凛」だと気づいておらず、
「戦いは自分に任せて安全な場所に隠れていなさい」という意味の事を言ってたんです
すさまじく横柄な態度だったせいで凛を怒らせて令呪を無駄遣いさせるだけになりましたがw
カルナとは違う意味で誤解されやすい英霊なのでした…w

なおアーチャーは一晩の内にだいぶ記憶の混乱が回復しており、自分が生前に体験した聖杯戦争に召喚された事、つまり目的を果たすチャンスを得たことを理解してます
凛の事は召喚された翌日の自己紹介の時に光の速さで思い出しました
「では凛と うん、この響きはとてもキミに似合っているな」
いつもの気障なセリフのような調子で放ったこの言葉には狂おしいほどの親愛が込められていました

皮肉にも切嗣と全く同じ道をたどり、しかも誰にも理解されなかったアーチャーですが、
キャスターに眠らされた藤ねえの事を心配したりイリヤを狙わなったりと
何だかんだ言いながら「士郎らしさ」が残ってます

ちなみに士郎は凛が傍にいる限りは守護者にはならないと原作者が断言してます

ランサーは敵になったなら肉親とでも戦う一方で敵だからと言って無理に憎み合う必要はない、敵同士でも気に入ったなら酒を飲んで言葉を交わし時が来たら正々堂々と殺し合う、というスポーツマンシップにあふれた戦士です
見方を変えれば、殺し合いをスポーツ感覚でやってる怖い人とも言えますが、
少なくとも士郎と凛にとって大きな助けでしたね

ちなみにランサーの本来のマスターはプリズマ☆イリヤに登場していたバゼットです
彼女とのコンビならバーサーカーとギルガメッシュ以外の敵を全て撃破可能でした
しかしバゼットは言峰と戦友だったため彼の騙し討ちにより物語開始前に脱落していたのでした

言峰がランサーに用いた令呪は
1.主替えに同意しろ
2.すべてのサーヴァントと戦え ただし倒すな 初めて戦う敵には全力を出さずに様子見に徹しろ
3.自害しろ
後ろから刺されても文句は言えませんねw
Posted by k at 2017年09月25日 00:27
☆k さん
こんにちは

アーチャーが家事が上手いのも伏線でしたね。
部屋もきれいに片付けて、
お茶入れるのも上手くて。

士郎が幸せになる道は無いんでしょうか…


ランサーの話はそんな裏が…
言峰はほんにとにね〜
怖いですよね

ランサーは服装変えたらもっとかっこ良くなりそうなんだけど
あ、それだとFGOか


Posted by 白黒ウサギ at 2017年09月25日 12:45
こんばんわ 名前を変えさせてもらいました。

今回のテーマは、主人公自身と歪である正義でしたね。

5次ランサー、光の御子、クーフーリンについては、色々思うところがあるので
(にわか知識と伝聞も大有りなので)聞き流してください。

彼は、紀元前の大英雄であり現在もアイルランドの独立のシンボルとして
銅像が立っているほどの人物です。
放映当時、海外の反応を見ていたのですが、自分の机にあるフィギュアが
出てきているアイルランドの方がおりました。
「ごはん」では、港で煙草咥えながら釣り糸垂れる兄ちゃんなので…
私は紳士だと思いませんが、「快男児」だと思ってますし、日本3代兄貴と呼ばれたりもしてます。
ただ…「英雄らしい死」も含めて彼なので、パートナーと共に勝ち残りたい人には、お勧めできないかも。
戦闘力は、国を石臼でひき潰す様だと言われ、適正はセイバー、ライダー、バーサーカー、キャスターも持っています。

…服装ですか?噂ですとバーサーカーで呼ぶと祖父の魔王バロールの影響を強く受け
(石化の?)目玉が追加され、四肢が変形、肥大化するとかなんとか…
Posted by 狐公方 at 2017年09月25日 18:50
☆狐公方 さん

こんばんは〜
クー・フーリンさん、元の英雄もいいですよね。
私はクー・フーリンというとFateよりもペルソナの方が馴染みが深いのですが;
Fateのクー・フーリンのキャラとても好きです。
一見、チャラチャラした話し方するのもいいですよね。
(そこだけみると英雄ぽくはないんだけど)

ランサーが不幸にならないFate世界は無いかしら…。
Posted by 白黒ウサギ at 2017年09月26日 00:19
アーチャーは紅茶の入れ方に関してはロンドンで身につけたんだと思いますよ
アーチャーも聖杯戦争後に凛と一緒にロンドンに渡ってます
そして、どこぞの金髪縦ロールお嬢様の魔術師に執事のバイトで雇われたそうな
もっとも同じなのはそこまでで凛と恋人にはならず、
理解者も帰る場所もないまま、世界の紛争地域を渡り歩いた末に、ああいう結末を迎えました

アーチャーの体験した聖杯戦争はセーバールートに近いものの、セイバーの心を救う事が出来なかったという感じの内容だったそうです

>士郎が幸せになる道は無いんでしょうか…

PS2とPSvitaへの移植版、Fate/stay night [Realta Nua]によると、
セイバールートの士郎はアーチャーに近い人生を送るも守護者にはならず、
人生の終わりの瞬間にセイバーと再会を果たしました(明言されてませんが、多分アヴァロンの中の理想郷にて)
マーリン曰く、士郎が追い続け、セイバーが待ち続けたから起きた奇跡だとか

UBWに関しても凛が傍にいればエミヤにはならないと原作者が断言してます
sに目の通り、基本はアーチャーと同じ道を進みますが、遠坂凛という理解者であり協力者であり支えであり帰る場所がある事で守護者にはならない模様

HFの士郎が、どうなるかはお楽しみにw

>自分自身の苦しみを終わらせるために、士郎を殺そうと願ってきたエミヤ

その動機は誤魔化しで、実際には自分が命を奪った人々への贖罪に、せめて『この世界』では英霊エミヤを誕生させたくなかったのです
だからいつでも目的を遂げる機会はあったのに何度も士郎に助言や忠告をして、
なかなか実行しようとしなかったんですよ
そもそもアーチャーは「自分の目的を遂げる」事と並行して「聖杯を悪用しない士郎か凛を聖杯戦争の勝者」にするためにも動いてます
キャスターに寝返ったのも最終的に凛とセイバーが再契約する事まで視野に入れての作戦でした

>ランサーは服装変えたらもっとかっこ良くなりそうなんだけど

アニメ化してませんが、Fate/hollow ataraxiaという作品にて白のスポーツシャツを着てます
またアロハシャツで釣りを楽しんだり、ウェイターのバイトでウェイター服を着こなしてます
何の違和感もなく現世をエンジョイしてる姿に、さすがの士郎も呆れ気味…
Posted by k at 2017年09月26日 20:34
☆k さん
こんばんは〜

士郎の家で、士郎は湯呑みでお茶飲んでて、
凛は紅茶というシーンがありましたよ。
ちゃんと飲んでたので不味くはなさそう。

アーチャーはいろいろ背景があるとは思いますが
描かれていないことはなかなか汲み取れないので
それぞれ受け止め方があって良いのでは〜…と思います。

Posted by 白黒ウサギ at 2017年09月27日 00:02
こんばんわ

5次ランサーですが、ちょっと昔の話なので話してもいいかなあ

彼が釣りをしているときに、金ぴかと紅い人がやってきて
財宝から豪華な釣り道具をとりだすわ、最新式釣り道具(投影によるバッタもの)を取り出して釣り場を荒らしまくるという可哀そうな話がありますw

彼は幸薄の大英雄ですが…なんか多分違うと思います。愛されてますけど
Posted by 狐公方 at 2017年09月28日 18:01
☆狐公方さん
こんばんは〜
あー、もしかしてカーニバル・ファンタズムですか?
このあいだのイリヤの舞台挨拶で、杉山さんがカーニバルの話をチラっとされて
場内が「わっwww」と沸いたので、何だろ?って思ってました。

でもTYPE-MOONが好きというわけではないので
見てもわからないかも…
ギャグは好きなので気にはなるんですが…!
Posted by 白黒ウサギ at 2017年09月29日 00:14
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