日本がワムを独占状態であることに業を煮やした国連が経済制裁のみならず武力行使も辞さないと宣告してきます。突如現れた異方存在とそれによってもたらされたエネルギー源ワムにより、世界は翻弄されていきます。果たしてヤハクイザシュニナの考える対応策とは?日本政府の出した答えとは?
前半はじっくり考えさせて後半で急展開でした…!
今のところ、今期はこれが一番おもしろいかな。内容がしっかりしていて。
ここからネタバレありの感想です。
個人の口座凍結まで含めた経済制裁や武力行使とか、ワムの存在がわかってから国連が通達を出してくるまでが早すぎるんですよね。考えてみたらほんの数日しかたっていなくて、細かい状況も整理できていないのでは。国連、短気だな〜と思ったのですが、その通りでしたね。
マスコミ関係者の会話を通して、この物語の中では、(海外の大国から見て)ワムが危険な存在だと考えられているということだろう、ということが示されます。戦争よりも核兵器よりも怖い存在である、と。これまで地球上にあったエネルギー源とは全く異質な上に莫大なので、世界経済がひっくり返ってしまうような代物です。そう考えたら確かに怖いものなのですが…。
あからさまに国連から脅されている状況を打破するために、ヤハクイザシュニナには考えがあると言います。真道とともに訪れた先は、まずは自衛隊駐屯地。技術研究所内の電波暗室に品輪博士を呼び、その中でワムについて考えてほしい…という。
天才ともいえる品輪博士なのですが、一言でいうと「子ども」だそうです。発想も柔軟そうだし頭もいい、でもとにかく純粋な探究心で夢中になっちゃうんですね。実物のザシュニナに会って一気にテンションが上がって、抱きつく勢いだったのが、飛んできたザシュニナの手に胸を押されて止められます。でも、(ぐっと胸触られてるのに)きゃぁっ…という反応ではなく、食べようとしちゃうところが品輪博士らしさなのかな。
真道さんとザシュニナの会話で「無茶するな」「無茶とは?」「わからないならいい」っていうのはちょっと良かったです。でも真道さんは、ザシュニナにセクハラのことも教えてあげてください…。
品輪博士が一生懸命ワムのことを考えて顔が真っ赤になっている様子、可愛かったですね。それに対して冷静100%の真道さん。こういうところも面白いです。
品輪博士にワムを預けて真道に任せ、ザシュニナは沙羅花の付き添いで首相官邸へ向かいます。官邸前では「国連にワムを提出せよ!」とデモが起きていたり、なんだかなあって感じです…。国の外も中もみんな短気ですよ…。
そんな様子を見たからか、沙羅花は「ワムはいらなかった」とザシュニナに言います。「見解の相違」と言われ、さらに「ワムはすべての人類に速やかに行き渡るのが正解だ」と説明されるのですが、それでも否定する沙羅花。確かに争いの元になっていたというところだけ見れば、沙羅花のいうのもわからなくはないですが、それも短絡的ですね。
首相とザシュニナの対話は、ザシュニナが日本政府を試すものでもあったようです。なぜワムを巡って争いが起こるのか。「差の意識」と説明していましたね。分け合う…というのはなかなか難しいことなんですよね。首相の答えは、
- ワムが悪いのではなく問題が起こるとしたらそれは使う側のせい。
ワム以外の他のことでも起こること。 - どう分けるか決めるのは誰かという問いに対して、人類が全員で決める
これでザシュニナも首相に方策を授けることにします。首相の答えは合っていたんでしょうね。そして、ここに品輪博士のワムについての発見も絶妙なタイミングでハマります。品輪博士の天才っぷりすごい…。
結論が出た日本政府は、全世界、全人類へ向けて日本政府の見解を発表することにします。これが、録画・録音・ネット配信OKという前代未聞の発表です。この情報の共有が自由であるとすることも、「正解」に関わることであるのも面白いです。
発表の内容は、日本政府がすべてのワムを国連に提出すると決めたことが一つ。そして、もう一つ重要なものは、品輪博士の実演による、「ワムの作り方」!
ここの展開、見事でした。ワムをすべて提出するというところで、実は見ていてとてもガッカリしたんです。国連の言いなりというか、大国主導でワムは分配されないのではないかと…。どうしてそれが正解に繋がるのかなって。でもその後です。紙を細く折って丸めて重ねて、手を動かしながら品輪博士が説明していくんですが…。途中まではただの説明だと思って見てたのに、最後に「以上がワムの作り方です」って!ワムが重要なのは素材ではなく、形。異方からエネルギーを取り出すものだから。これは驚きますよね…。まさか作るって発想はなかったので本当に驚きました。
ワムは誰でも作れる。作り方を公開するところまでも含めて、分け与える、ということで正解なんですね。なるほどなぁ。国連側は悔しがっていましたね…。これによって世界の経済も、勢力も、大きく変わってしまうだろうと思います。トラブルが無いわけがありませんが、それでも新しいエネルギーを手にし、新世界へ進もうということで「覚悟」がいるんですね…。
次回も楽しみです。