ヤハクィザシュニナの要望で、日本政府との交渉が始まります。国際交渉官の徭沙羅花は、ヤハクィザシュニナの望むとおり政府との会談を開く準備は出来ていると答えますが、ヤハクィザシュニナは公開での会談を要求してきます。未知の生命体とのファーストコンタクトを全世界に向けて発信することになりますが、日本政府はあえてそれを受け入れることにします。
今回も新しい単語がぞくぞく出てきます。難しいことも言ってますが面白いです。
ここからネタバレありの感想です。
真道があまりにも自然にヤハクィザシュニナとコミュニケーション出来ているのを不審に思う発言をしていた人がいましたが、端から見たら確かにそうですね。カドの中がどうなっているのか、中で何が起きているのか全くわからない状況なので、もしかしたら見た目は真道だけど中身は違うかもと思われても仕方ないかも(そこまで言ってはいませんが)。
意外とあっさりと公開会談が決定します。準備段階で用意されたパイプ椅子を見て、ヤハクィザシュニナは理解できていませんでしたね。飛行機の座席とは違うけど、真道と初めて会ったときにはカドをイスみたいにしてヤハクィザシュニナも座っていたし、何となくわかりそうなものだけどな。
真道が「パイプ椅子似合わないな」って言ってたのは納得しました。確かにとても似合ってなかったです。雰囲気というか、無表情で生真面目に座ってる感じが妙におかしかった。でも「似合わない」という言葉が曖昧だと、ヤハクィザシュニナの話が続きます。言葉は相手に伝わるときには変質しているというようなことを言ってましたもんね。これはちょっと面白い話だなと思いました。受けてによって印象が変わったりはよくあることで、自分の言いたいことが100%そのまま相手に伝わることというのは無いかもしれませんね。
日本政府とヤハクィザシュニナの会談は、いざ始まってみると「情報の不平等を解消したい」とヤハクィザシュニナが自分自身やカドのことについての説明に終始しました。日本政府側は何も情報を持っていないので、説明してもらわないことには話が進まないのですが。
ただ、政府側は空港を占拠されていると思っていることと、カドに飲み込まれた乗客たちが人質になっていると捉えているみたいなので(状況だけみたらそのとおりで)、その辺の誤解を先に解いてあげたらいいのにとは思ったけど。もちろんカドとは何か知りたいのはいうまでもないのですが。
ヤハクィザシュニナの説明によると…
- ヤハクィザシュニナがやってきたのは宇宙の外「異方(ノヴォ)」
- 「高次元」という言い方は正しくない。あくまでも「異方」
- カドは異方と宇宙の境界線でもあり、変換機構でもある
- 日本を選んだのは「ユノクル」が安定しているから
- ユノクルとは「心」が51%一致する一番近い言葉。正確に翻訳できる言葉はない。共感や共有を意味する。余っているものを分け与えることが、ユノクル?
- 異方と宇宙を交換すると元は一つだけれど2つに見える。
- 異方から無限にエネルギーを取り出すことができるのが「ワム」
- 「ワム」を日本に享受する
ヤハクィザシュニナに「アレをやってみせたらどうだ」とか、言葉の正確さについて言い合いしたり、…仲良く見えますね。真道が心が柔らかくていい人なんでしょうね。ヤハクィザシュニナが勝手に停電させるなど派手なデモンストレーションを行ったときも、やったことそのものよりも前もって言わなかったことだけ怒ってたしw
信頼関係が見えます。
ヤハクィザシュニナの「人よ、どうか正解されたい」という言葉。「ワム」は食べきれないほど余っているパンで、それを日本人がどうするのかという課題ですね。ユノクルが安定してる場所を選んだのはこれが理由ですね。もちろん世界中へ分配しようと考えると思いますが、すべての世界でユノクルは安定していないんですよ…。自分が満足する量で充分なのが普通なのですが、「人よりも多く」という考え方しかできない人もいますね。本当はパン1個でお腹いっぱいになるけれど、2個食べられる人がいるなら、(食べられないのに)3個ほしいと思う、そういうことです。
早速、次回予告では厳しい展開になっていました。
この話はどこへ進んで行くんでしょうね。次回も楽しみです。