鬼平が風邪で寝込んでいる間に、なんと泥棒に入られ、父の形見の銀煙管が盗まれてしまう…というお話です。男同士のプライドの話なのかな?意外な展開でした。
ここからネタバレありの感想です。
風邪で寝込んでいてもこっそりお酒を飲んだり煙草を吸ったり、平蔵さん、大人しく寝ているというのはできないみたいです。おかげで風邪が悪化してしまいます。その晩、屋敷に泥棒が入り、よりによって平蔵の寝ている部屋から煙管を盗んでいきます。翌日、奥さんと一緒に探しますが、見つかる気配がありません…。亡くなった父の形見の凝った品で、値段も高かったようです。でもどうやら盗まれたらしい…。立場が立場だけに、このことは秘密にするのですが…。
ある日、舟に乗ったときに船頭が使っていた煙管が盗まれたもの。船頭は平蔵だとは気が付かずに堂々と使っています。ここで自分のだ…と取り返すことはしないんですね。泥棒が入られたと周りに知られることにもなるし、苦しいですね〜。すごい偶然で盗まれた品に再会できたのに…。
粂八に頼んで船頭を調べてもらうことになりますが、その船頭は粂八の古い知り合いでした。これもまた偶然ですね。船頭は悪いことは引退してまともに働いていると言いますが、話の流れで鬼平の名前が出たら我慢できなくなって、粂八に煙管を見せて盗んだことを話します。みんなが鬼平すごいというのが面白くない、とかいう理由でした。
今度は粂八を通して、船頭に泥棒勝負を持ちかけ、煙管を返しに来るように仕向けます。そしてその変わりに印籠を盗ませます。どうせなら印籠のような高価なものじゃなくて盗まれてもいいようなものにすれば…と思ったのですが、そういう話ではなかったんですね。
後日、船頭をお酒に誘い、煙管を出して堂々と煙草を吸います。事態を察して青くなる船頭。それに畳みかけるように、お金を出して印籠も買い取らせろ、と言います。盗んだことに対してお咎めないのも含め、やったことは全部お見通しだよ、っていう脅しなんでしょうけど。こんなことされたら何も言えないですね。
粂八さんが船頭のことをずっと気にしていたのが気になりました。鬼平さんのところで働いているけれど、鬼平個人を困らせている泥棒を庇おうとするのは…どうなのかなぁ。うーん、でも泥棒は厳罰のようだから…。ちょっと粂八さんが心配になりました。