平蔵(鬼平さん)の若い頃の思い出の場所、本所。今回はその本所で事件が起きます。事件を調べるため、久しぶりに懐かしい場所へ行く平蔵ですが、そこで懐かしい友と再会します。でも懐かしい顔と再会するのは必ずしも幸せなことばかりでは無いようです…。
ここからネタバレありの感想です。
平蔵の奥さんとの会話の中で、辰蔵の友だちを「悪友だち(わるともだち)」と言ったり、今回の騒ぎのうわさ話で「悪御家人(わるごけにん)」という言葉が出てきたり、「わる」って言い方がかわいいなあと思いました。江戸ではこんな風に言ってたんでしょうか。面白いです。
辰蔵さんも遊び歩いていて困ったものらしいのですが、若い頃の平蔵さんもせいぜいですね。髪もクルクルのロン毛で(それはしょうがないのかな?)何より着ているものがとんでもなく派手w でも剣の稽古はチャラチャラせずしっかりしていたんですね。ライバルがいたから〜ですね。
そのライバルの左馬之助と「おふさ」さんを好きになったのですが、お互いに牽制しているうちによそへお嫁に行かれてしまうという…何とも情けない結果に終わったようです。それでも憬れだけでいいところだけ見て終わっていたから、このままならきれいな思い出でした。
本所界隈で近頃美人局が流行っているというので密偵を送ったところ、押し込み強盗を計画していることがわかり、平蔵たちが踏み込みます。初恋の人おふさが、嫁ぎ先の主に先立たれ、今は悪党になっていた…というオチでした。
おふさは元の嫁ぎ先である近江屋を襲撃先に選んでいて、それを咎められるのですが、でも逆に亡くなったご主人の復讐のための気もします。言及は無かったですが、子どもが亡くなったのも、先代が亡くなったのも、今の近江屋のせいではないかなと思いました。それがわかったからといってどうしようもなく、救いがない話でした。
今の話は暗く雪が降り、思い出のシーンでは明るく桜が舞い散り、降る雪と舞う桜が重ね合わせて描かれてシーンの切り替え、みたいになっていて、とてもきれいだなと思いました。昔はあんなにみんな希望に輝いていたのに、今はおふさにも左馬之助にも雪が降ってるんですよね…。