ストーリーはざっくり、ネットで募集していた「人生やりなおしツアー」に参加した30人の群像劇です。目的地は都市伝説で実在するか不明の“納鳴村”。年代も職業もバラバラの彼らは、行方不明者となって納鳴村で人生をやり直そうとするのですが、不可解な事件が起こります…。
ここからネタバレありの感想です。
登場人物が30人っていうのは多かったなぁと思います。旅行なので30人いてもいいし一人一人に名前があってももちろんいいのですが、さすがに30人すべてにスポットをあてるのは難しかったよね、と思います。結局、ストーリーが進む中で主要なキャラは数名に絞られていくので、全部で10人でも30人でも同じことかもしれません。ただ…30人それぞれ何かある!と思って観る必要は無かったなと…。
30人もいて好感を持てるキャラがほとんどいなくて、割とストレス溜めながら観てました。閉鎖された舞台でありがちな、登場人物たちの言い争いがとにかく多くて、そういうのちょっと苦手なんですよね…。でもそれなりに面白いところもあったし、村の秘密とか“ナナキ”が何なのか気になって見続けていたんですが…。
みんなの争いもちょっとした揉め事の範囲を超えていて、縛り付けたり火を放たれたり、死んじゃうよ!?っていうくらいひどいものでした。疑心暗鬼に囚われているとは言え、化け物を呼んだりとか村から出られないように何かするとか、人間にできるわけないじゃん。みんなどうかしてるよっていう展開が続きます。前半は特に冷静な人がほとんどいなくて、怪しいと思った人に対しての行動はどんどんエスカレートしていきます。
これじゃ納鳴村で起きたことの方がトラウマになるのではと思ったのですが、主人公の光宗・親友のハヤト・らぶぽんは現実世界ではひどい虐待受けてた。彼らのエピソードがかなり極端で、ちょっと引きました…。胃が痛くなるレベル。登場人物でも若い子たちの心の傷はいじめとか虐待とか親からのプレッシャーとかで、大人は仕事がらみの失敗とかでした。どれも胃が痛くなります。
“ナナキ”の正体は、人の心の傷やトラウマそのもので、だから人によって見えるものが違うということでした。なぜ納鳴村にいるときだけ具現化するのか説明がなかったのでわかりません。何のために納鳴村があるのかもわかりません。ただ納鳴村が“そういう場所”だっていうことでしょう。そして、自分から切り離されたトラウマをそのままにしておくと、だんだんと自我がなくなり人ではなくなってしまうとか。うーん。わかるようなわからないような、ちょっとモヤモヤするオチでした。辛いこととそんな簡単に向き合えないけどなー。
いろいろなことが謎のまま、最後は爽やかにまとまって終わってました。でも戻ってもみんな幸せになれないんじゃないのかな…?中高生組は特に。それぞれのトラウマを受け入れたら解決とかそういう問題じゃない…と思う、それじゃ解決できないです。バスは本当に家に帰るのかな…?
タイトルの『迷家-マヨイガ-』は、『納鳴村』とか『納鳴』ってタイトルの方が良かったんじゃないかって気がしました。村が問題であって家は別に何もしないし、伝承にある“迷い家”とも関係なかったです。
2016年4月1日 - 6月17日(全12話)
監督:水島努/シリーズ構成:岡田麿里
キャラクターデザイン:井出直美
アニメーション制作:ディオメディア
キャスト:酒井広大、相坂優歌、八代拓、佐倉薫、鈴木達央、五十嵐裕美、加隈亜衣、他
監督:水島努/シリーズ構成:岡田麿里
キャラクターデザイン:井出直美
アニメーション制作:ディオメディア
キャスト:酒井広大、相坂優歌、八代拓、佐倉薫、鈴木達央、五十嵐裕美、加隈亜衣、他